Oct 29th, 2014
手作り石窯で本格PIZZAに挑戦(後編)
さて、道具も揃ったところで、ついに石窯製作である。
まわりに燃えやすいものが無い庭先を設置場所に選んで、まず地面にコンクリートブロックを敷く。
その上に耐熱レンガをコの字型に積んでいき、最後に大谷石の天板を載せるともう石窯の完成である。
モルタルで接着する必要もなく、本当にこれで終わりなのである。
あまりにあっけなく、もうちょっと何かしたいと思ったが、調整するところすら無いくらいシンプルである。
薪をしっかり燃やすためには、初めは太めの割り箸くらいでしっかり火をおこし、その後だんだん太くするため、まずはひたすら細い薪を作らねばならない。
よくテレビなどで見る薪割りは、切り株に丸太を立てて斧を振り下ろしたりするが、今回買ってきたのは既に1/4程に割られているので、その必要は無い。
自分なりにいろいろと調べて、以下のような手順で進めた。
(1) 薪の頭にナタの刃先をあてて、地面に一緒に打ち付けるように何度か上下させる。
(2) だんだん刃が入っていき引っ張っても抜けなくなるので、ナタを両手で持って垂直に地面に叩きつける。
(3) 2を割れるまで繰り返す。
初めての体験というのもあり、ナタが食い込んでいく感覚にしばらくは病みつきになっていたが、炎天下で15分も続けるとさすがに汗だくになった。
ナタを握る手にも力が入らなくなってきたが、まだまだ細い薪は必要と思われたので、さらに10分ほどがんばった。
暑さと疲れで目もかすんできたが、必要と思われる薪が揃ったのでひとまず休憩する。
ダラダラと流れる汗を拭きながら、次にこいつらを目の前で燃やすのかと憂鬱になるが、冷たい麦茶でなんとかやる気を振り絞り、火入れへと進む。
まずは着火剤から細い薪に、そしてだんだんと太めの薪へと燃やしていくのだが、これがなかなか楽しい。
「これはおれが育てた火だ」という気持ちが芽生え、火の勢いが弱まると「そうかお腹がすいたか」と薪をくべ、盛大に燃え出すと「よくぞこんなに元気に育って…」と涙さえ浮かんでくる。
まるで子育てよろしく、この子のためならどんな暑さでも我慢できる!とさえ思う。
一時間ほど燃やし続けると窯の内側のススが無くなってきた。
これが適温の合図らしいので灰を掻き出して真ん中にスペースを作り、ピザピールで生地を投入した。
あっというまに生地が膨れ始め、ものの数分で焼けてしまう。
早速ピザカッターで切って食べてみる。
生地を伸ばしすぎたのか、少しクリスピーっぽくなってしまったが、カリッとモチっとしていて十分に美味しい。
なにより窯から生地、ソースからバジルまで自分で作ったのだから、その分の満足も上乗せで美味しい。
途中からはとなり近所の家庭も集まり、にぎやかな「ピザパー」…もとい「ピッツァパーティー」となった。
ちなみに今回は
・マルゲリータ(モッツァレラチーズ、バジル、トマトソース)
・マリナーラ(にんにく、オレガノ、トマトソース)
・きのこピッツァ(きのこ各種、モッツァレラチーズ、トマトソース)
を作ったが、マルゲリータがシンプルで一番美味しかった。
※ また生地は発酵に一時間程度かかるため、窯作りの前にあらかじめ作っておき、ソースと具も載せてスタンバイしていたのだが、いざピザピールに載せようと思った時には生地がソースの水分でダレて、ベタベタになってしまった。
生地は直前に延ばして、打ち子を振ったピールの上でトッピングをするのが良いようである。