Mar 6th, 2017
6.強行軍
15日目。前半の日程を終了して総距離の半分にやや足りないので後半開幕38kmの強行軍に打って出ることに。
水辺のきれいな道で心躍る。
林を抜け、橋を渡り、草原を歩き進む。心地よい道。
インド人の巡礼者と出会った。場所的にも宗教的にもめずらしい。彼は、昨日から巡礼を始めたとかで、ナップサックと次の町の名前のメモだけもって巡礼をするなめっぷり。水くらい持てと、ちょいと先輩風を吹かす。案の定へばって20kmの地点でアルベルゲ(巡礼宿)に留まる彼に別れを告げて先に進む。いろんなタイプの巡礼者がいる。
海辺の町に入る。坂道の多い街で転げるように港の方へ降りていく。街は賑わい楽しげな雰囲気だけど、地図は後で下った分だけ登らねばならないことを示していて憂鬱になる。坂道貯金が底をつくと港から山へ続く上りのS字カーブが待っていた。
上りのS字カーブを登りきった頃には、体力をかなり削られ、水の補充ポイントにも出会わず、疲労困憊。すでに夕方も18:00を過ぎて太陽は西に傾いており木の多い山道は薄暗い。同じ闇でも、未明の闇は明けるけど夕闇は暮れるばかりで心細いもの。午前中はインド人に先輩風吹かせたりしてたのに。
最後の残光が消える頃、ようやく町に。スーパーで2リットルのアクエリアスを購入し乾きを癒しながらアルベルゲ(巡礼宿)を探す。
30分ほど彷徨ってやっとみつけたアルベルゲは、宿泊チケットを500m手前のバルに戻って購入しなければならないことが判明。もはや怒ったり悲しんだりの感情が動かなくなって、後でネタにできるかもとへラリと笑って、ややヤバイ精神状態でダメ押しの往復1kmを消化。やっと本日の旅を終えたときにはとっぷりと暮れていた。
アルベルゲの庭の芝生にぶっ倒れ、
残りのアクエリアスを飲み干してクールダウン。
月が昇ってくるまでの何時間か空を仰ぎながら疲労感の中に「やってやったぞ」という満足感があった。
うーん旅らしい。ふさわしい。