Mar 7th, 2017
7.雨、雨、雨
17日目。雨。
べラーノ(夏)とオトーニョ(秋)の間の季節をベラーニョと呼ぶ。
スポーツショップの店長が教えてくれた。ベラーニョは雨が多い。スポーツショップに入ったのも雨で洗濯できずに靴下が足りないからだった。
次の日、18日目。新しい靴下は、すぐぐしゃぐしゃになった。
暴風雨。メガネは打ち付ける雨粒でレンズの用をなさないし、メガネを外しても白い雨しか見えないほど。
雨宿りをしたいが、広い草原の中に雨宿りできる場所はなかった。
普段より3時間ほど超過して目的の街へ到着する。
アルベルゲはすでに満室。他のホテルを数件当たってみたけど、そちらも満室。小さな街なのだ。ホテルのロビーで少し休憩させてもらって次の行動を決める。普段なら「もういやだ」と叫んでさじを投げるところだけど、さじの投げ先もないので、日が沈む前にさらに次の街へ進む。
困難に直面したときでさえ、普通はとれる選択肢はいくつかあると思うんですよ。体力、知恵、コネ、カネ、ズル、あきらめ、先延ばしといった、100点でないにしろ抜け道や逃げ道がある。
でもね、この日の暴風雨はその例外。
選択肢がないときには忍耐しかない。
でね。ひとつ気づいたのは、忍耐って個人の能力じゃないんですね。
つまり「忍耐」は状況を指す言葉だと思うんですよ。
「する」ものじゃないし、まして「できる・できない」って話でもない。忍耐の中にただ「いる」。「いざるをえない」。
街から8km。日が暮れた頃、小さな宿を見つけて逃げ込む。
疲労困憊・体調不良。雨に濡れ続けたのが良くなかったのか、食事は喉を通らず、熱いシャワーを浴びて倒れるようにベッドへ。
困難は去り忍耐もいつかおわる!
翌朝はめちゃくちゃ寝坊してスタート!ひゃーいい天気!