Oct 29th, 2014
薫るアイスコーヒー、淹れました(前編)
ぼくとコーヒーとの付き合いは、さほど深くない。
職場でインスタントやドリップコーヒーを飲むことはあっても、あくまで「そこにあったから飲んでみた」程度のチョイス具合だし、ましてやスタバなどの、いわゆるシアトル系コーヒー店は苦手である。
今でこそ妻と何度か行って慣れてはきたが、初めは一人で行けなかった。
まずサイズ表記がよくわからない。
Sはスモールかと思いきやショートだし、普通のサイズをと思いMを探しても見当たらず、トールという一応中学で習って馴染みはある単語がMに相当するらしいと知る。その上のGrande、Ventiに至っては未知の単語で読み方すらわからない。
目の前の店員さんに聞けばいいと思われるかもしれないが、そこはスマートに済ませたいのがオトコのサガというものである。
やっと注文が終わったと思っても、まだ安心はできない。
「ランプの下でお待ちください」と言われ店員の指す方をみると、果たしてランプがある。
ランプの下!
なんという曖昧な目印であろうか。
仮設店舗や改装中というのならともかく、ちゃんと商品受け取り口と書いておいてくれれば良い話ではないか。
このようにドキドキまごまごしつつ飲むコーヒーの味は美味くない。
かくして、ぼくとコーヒーには徐々に距離ができていった。
しかし今年の夏、その距離が急激に縮まった。
ご存知コンビニコーヒーである。
味も内容も各社さまざまだが、とある、かつての営業時間をそのまま店名にしたコンビニのアイスコーヒーにぼくは心を奪われた。
コーヒーの味は主に酸味と苦味であるが、ぼくは酸味少なめ、苦味多目が好きである。
そのコンビニのコーヒーはまさにぼく好みど真ん中で、これ以上でもこれ以下でもない、絶妙なバランスであった。
あまりの美味しさに連日飲み続けたが、やがて買いに行くのが面倒になってきたぼくは、これは自分で作れば飲み放題じゃないか?と思い始めた。
節約はもちろん、作る楽しみも味わえるし、もっと自分好みの味も追求できるかもしれない。
こうしてぼくは「薫るアイスコーヒー」作りの準備に取り掛かった。
- 後編に続く-